公開日:2026.08.03
更新日:2026.09.07

昨今、企業の経営環境は目まぐるしく変化しています。原材料費の高騰や人件費の上昇に加え、企業の固定費に重くのしかかるのが「電気代」の負担です。
「これまでは地域の大手電力会社と契約していれば安心だった」「電力調達の見直しと言っても、何から始めればいいか分からない」
――そうした理由で、電力の見直しを先送り、あるいは検討すらしていない事業者も少なくありません。
しかし、外部環境の予測が不可能な今、電力調達の最適化は企業の死活問題となっています。
今回は、リバースオークション(競り下げ方式)による電力調達支援サービス「エネオク」を導入し、経営基盤の強化に成功した秋田県の「有限会社峰浜培養」を取材し、常務取締役の松森様にお話をお伺いしました 。
秋田県に拠点を置く有限会社峰浜培養様は、しいたけ栽培に欠かせない「ほだ木(菌床)」を年間約250万本製造・供給するほか、自社でもしいたけの栽培を手掛ける、地域の農業を支える重要企業です。
同社の事業において、年間を通じて培養室の温度を21〜22度に保つ必要があり、工場では15〜16台の空調機やボイラーがフル稼働しています。
「電気や燃料などのエネルギー費用は、元々うちの会社にとってかなり重い負担になっていたんです」と松森様は振り返ります。
そんな同社を襲ったのが、ウクライナ情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の急騰でした。それまでも、他社との比較見積もりを提示して大手電力会社と交渉し、約10%の削減を勝ち取るなど独自の努力を重ねていましたが、外部環境の激変には抗えませんでした。二つの工場合わせて「年間でいきなり1,000万円ほど値上がりする」という、極めて深刻な事態に直面したのです。
「その値上がり分のせいで、せっかく生み出した利益のほとんどが電気代に取られてしまう状態でした。令和6年度、7年度についてはその負担が大きく響いて、会社としても赤字経営に陥ってしまったんです。なんとかして電気代を元の価格水準に戻さなければならない、と強い危機感を抱いていました」
同社が電力調達を見直すきっかけとなったのが、地元の八峰町が公共施設や管理施設において「エネオク」を導入し、確かな電気代削減効果を上げていたという情報でした。
同社の社長が町長を務めている縁もあり、町側からの勧めを受けてスムーズに導入の検討を始めたといいます。
新電力や新しい調達手法の検討にあたり、「これまでの大手電力会社との契約と中身が違ってくるのではないか」という漠然とした懸念はあったものの、変わるのはあくまで「電気の単価」だけであると分かり、心配はすぐに解消されました。
また、多くの事業者が電力切り替えを躊躇する理由に「手続きの手間」が挙げられますが、同社における準備の負担や手間は「一切なかった」と松森様は語ります。
事前のデータ聞き取りなどのやり取りもエネオク側がリードし、同社に負担をかけることなくスピーディーにプロジェクトが進行しました。担当者の迅速で分かりやすい対応もあり、不安を一切残さずに4月からの新契約スタートを迎えることができたのです。
エネオクを導入して実際に稼働を始めてから、同社の電気代は見積もり通りに確実に下がり始めています。
電気代という大きな固定費の削減に目処が立ったことで、同社の経営戦略には大きな「余白」が生まれました。同社は浮いた予算の活用や販売価格の適正化なども含め、次年度(令和8年度)に「1,000万円ほどの黒字化」を見込む、余裕を持った攻めの経営計画を策定することが可能になりました。
さらに、削減できたコストは「次の未来」に向けた大胆な環境投資や事業拡大への原資となっています。同社は現在、国の補助事業(総額約3,000万円)を活用し、工場の培養室における空調設備の大規模な更新を進めています。
「これまでの重油ボイラーによる暖房から、電気空冷式のヒートポンプ空調機へと変更することで、重油燃料を削減し、さらなる省エネと効率化を強力に推し進める計画です」と松森様は先を見据えます。
これと同時に、ほだ木の販売数量を約30万本伸ばすという、さらなる事業拡大プロジェクトにも乗り出しています。
現在、世界情勢(アメリカとイランの関係など)は依然として緊迫しており、物流や物品費など様々な資材の値上がりが企業を脅かしています。
同社も「電気代で浮いた部分が他の値上がりに吸い取られてしまうのではないか」という危惧は抱きつつも、最もインパクトの大きい電気代を「早いタイミングで先手を打って見直せたからこそ、他のコスト高騰に対抗できている」と、その効果をリアルに実感しています。
「電気の需要が多い会社や個人にとっては、やはりこういう仕組みを使って経費を削減していかないと、もう経営が間に合わない時代に入ってきています。大手電力会社一択という考え方のままでは、もうダメなんじゃないかと思います」
これは、激動の市場を生き抜く松森様が語った、すべての事業者へ向けた切実なメッセージです。
電力調達の見直しは、単なる「目先の節約」ではありません。外部環境の変化による赤字リスクを未然に防ぎ、浮いたコストを人件費への還元や設備投資、事業拡大という「攻めの経営」へと転換するための、立派な経営戦略です。
「うちはまだ大丈夫」「切り替えが面倒そう」と現状維持を続けている事業者こそ、今がその重い腰を上げる時です。リスクを最小限に抑え、未来への投資余力を生み出すために、まずは自社の電力調達のあり方を疑うことから始めてみてはいかがでしょうか。

松森様と弊社社員との打ち合わせの様子
公開日:2026.08.03
更新日:2026.09.07

昨今、企業の経営環境は目まぐるしく変化しています。原材料費の高騰や人件費の上昇に加え、企業の固定費に重くのしかかるのが「電気代」の負担です。
「これまでは地域の大手電力会社と契約していれば安心だった」「電力調達の見直しと言っても、何から始めればいいか分からない」
――そうした理由で、電力の見直しを先送り、あるいは検討すらしていない事業者も少なくありません。
しかし、外部環境の予測が不可能な今、電力調達の最適化は企業の死活問題となっています。
今回は、リバースオークション(競り下げ方式)による電力調達支援サービス「エネオク」を導入し、経営基盤の強化に成功した秋田県の「有限会社峰浜培養」を取材し、常務取締役の松森様にお話をお伺いしました 。
秋田県に拠点を置く有限会社峰浜培養様は、しいたけ栽培に欠かせない「ほだ木(菌床)」を年間約250万本製造・供給するほか、自社でもしいたけの栽培を手掛ける、地域の農業を支える重要企業です。
同社の事業において、年間を通じて培養室の温度を21〜22度に保つ必要があり、工場では15〜16台の空調機やボイラーがフル稼働しています。
「電気や燃料などのエネルギー費用は、元々うちの会社にとってかなり重い負担になっていたんです」と松森様は振り返ります。
そんな同社を襲ったのが、ウクライナ情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の急騰でした。それまでも、他社との比較見積もりを提示して大手電力会社と交渉し、約10%の削減を勝ち取るなど独自の努力を重ねていましたが、外部環境の激変には抗えませんでした。二つの工場合わせて「年間でいきなり1,000万円ほど値上がりする」という、極めて深刻な事態に直面したのです。
「その値上がり分のせいで、せっかく生み出した利益のほとんどが電気代に取られてしまう状態でした。令和6年度、7年度についてはその負担が大きく響いて、会社としても赤字経営に陥ってしまったんです。なんとかして電気代を元の価格水準に戻さなければならない、と強い危機感を抱いていました」
同社が電力調達を見直すきっかけとなったのが、地元の八峰町が公共施設や管理施設において「エネオク」を導入し、確かな電気代削減効果を上げていたという情報でした。
同社の社長が町長を務めている縁もあり、町側からの勧めを受けてスムーズに導入の検討を始めたといいます。
新電力や新しい調達手法の検討にあたり、「これまでの大手電力会社との契約と中身が違ってくるのではないか」という漠然とした懸念はあったものの、変わるのはあくまで「電気の単価」だけであると分かり、心配はすぐに解消されました。
また、多くの事業者が電力切り替えを躊躇する理由に「手続きの手間」が挙げられますが、同社における準備の負担や手間は「一切なかった」と松森様は語ります。
事前のデータ聞き取りなどのやり取りもエネオク側がリードし、同社に負担をかけることなくスピーディーにプロジェクトが進行しました。担当者の迅速で分かりやすい対応もあり、不安を一切残さずに4月からの新契約スタートを迎えることができたのです。
エネオクを導入して実際に稼働を始めてから、同社の電気代は見積もり通りに確実に下がり始めています。
電気代という大きな固定費の削減に目処が立ったことで、同社の経営戦略には大きな「余白」が生まれました。同社は浮いた予算の活用や販売価格の適正化なども含め、次年度(令和8年度)に「1,000万円ほどの黒字化」を見込む、余裕を持った攻めの経営計画を策定することが可能になりました。
さらに、削減できたコストは「次の未来」に向けた大胆な環境投資や事業拡大への原資となっています。同社は現在、国の補助事業(総額約3,000万円)を活用し、工場の培養室における空調設備の大規模な更新を進めています。
「これまでの重油ボイラーによる暖房から、電気空冷式のヒートポンプ空調機へと変更することで、重油燃料を削減し、さらなる省エネと効率化を強力に推し進める計画です」と松森様は先を見据えます。
これと同時に、ほだ木の販売数量を約30万本伸ばすという、さらなる事業拡大プロジェクトにも乗り出しています。
現在、世界情勢(アメリカとイランの関係など)は依然として緊迫しており、物流や物品費など様々な資材の値上がりが企業を脅かしています。
同社も「電気代で浮いた部分が他の値上がりに吸い取られてしまうのではないか」という危惧は抱きつつも、最もインパクトの大きい電気代を「早いタイミングで先手を打って見直せたからこそ、他のコスト高騰に対抗できている」と、その効果をリアルに実感しています。
「電気の需要が多い会社や個人にとっては、やはりこういう仕組みを使って経費を削減していかないと、もう経営が間に合わない時代に入ってきています。大手電力会社一択という考え方のままでは、もうダメなんじゃないかと思います」
これは、激動の市場を生き抜く松森様が語った、すべての事業者へ向けた切実なメッセージです。
電力調達の見直しは、単なる「目先の節約」ではありません。外部環境の変化による赤字リスクを未然に防ぎ、浮いたコストを人件費への還元や設備投資、事業拡大という「攻めの経営」へと転換するための、立派な経営戦略です。
「うちはまだ大丈夫」「切り替えが面倒そう」と現状維持を続けている事業者こそ、今がその重い腰を上げる時です。リスクを最小限に抑え、未来への投資余力を生み出すために、まずは自社の電力調達のあり方を疑うことから始めてみてはいかがでしょうか。

松森様と弊社社員との打ち合わせの様子