電力の使用に伴うCO2排出量を削減するには、小売電気事業者が提供する再エネ電力メニューを契約する方法と、FIT非化石証書を購入してオフセットする方法の2パターンがあります。
それぞれの方法でのメリットや留意点は以下の通りです。

表.　非化石証書調達方法別のメリット等

メリット

価格

FIT非化石証書を別途購入するほうが、再エネ電力メニューを契約するよりも費用が安価になることが多いです。小売電気事業者と再エネ電力メニューを契約する場合、お客様は電力契約を締結するだけで再エネ電力を調達できますが、小売電気事業者は通常の電力に加えてFIT非化石証書を調達し、そこに手数料を上乗せしてお客様に請求するためです。

再エネ比率設定

小売電気事業者から電力とFIT非化石証書をセットで購入する場合は、あらかじめ再エネ比率が設定されたメニューでの契約が一般的です。FIT非化石証書を別途購入する場合、自社の再エネ目標や予算に応じて、再エネ比率を柔軟に設定することができます。

産地指定

FIT非化石証書を別途購入する場合は、都道府県単位・市区町村単位での電源産地、太陽光、風力などの電源種別を指定して購入することが可能ですが、小売電気事業者から電力とセットで購入する場合は、原則指定することはできません。

活用の柔軟性

テナントに入居しているため任意に電力契約を変更することが困難な場合でも、FIT非化石証書を別途購入することで再エネ導入を図ることが可能です。

留意点

省エネ法、温対法のSHK制度の対応

小売電気事業者から電力とFIT非化石証書をセットで購入する場合は、FIT非化石証書によるCO2削減効果が反映された調整後排出係数を用いてCO2排出量を算定するため、計算はシンプルになります。

FIT非化石証書を購入する場合も、調整後温室効果ガス排出量から控除することが可能ですが、以下の計算方法となるため、削減したいCO2排出量を決めたうえで必要となるFIT非化石証書の調達量を割り戻す必要があります。エナーバンクでは、調達前にお客様の調達量の算出もサポートしております。

＜計算方法＞

非化石電源二酸化炭素削減相当量として、電気事業者から小売供給された電気の使用に伴って発生するCO2排出量を上限に、『FIT非化石証書の量×全国平均係数×補正率』で算出した量を調整後温室効果ガス排出量から控除します。

FIT非化石証書の調達は仲介事業者の活用がおすすめ

お客様自らFIT非化石証書を再エネ価値取引市場にて直接購入する場合、調達に伴う仲介手数料がかからないというメリットがありますが、入札にかかる事務手続きなどを全て自社で行う必要があるとともに、JEPX（日本卸電力取引所）の会員になるための入会費・年会費などが発生します。仲介事業者への手数料は調達量に一定の単価を乗じて計算されるのが一般的で、調達量によっては入会費・年会費の方が仲介事業者へ支払う手数料より高くなってしまい、自ら直接購入するのが不利な選択肢になります。

まとめ

コストを抑えつつ電力使用に伴うCO2排出量の削減を行うには、FIT非化石証書の購入が有効です。特に、自社工数を最小化しつつ安価に削減したい場合は、仲介事業者を介しての調達がおすすめです。エナーバンクでは、必要な調達量の算出も含めてサポートを行い、業界最安水準の手数料でFIT非化石証書をご提供しております。